【Hey!Say!JUMP】YouTube再生回数記録と分析/だいたいぜんぶ編

明けましておめでとうございます！！！(1月なのでまだセーフです)(圧)

閲覧いただきありがとうございます。前回に引き続き、ド文系Excel初心者がHey!Say!JUMPのYouTube上にアップされている音楽コンテンツの再生回数を分析・考察(？)していきます。前回は狼青年・千夜一夜・ナイモノネダリのPVについて扱ったので、今回はその他すべて( )を扱います。また、前回とは違い一部2021年のデータも使用します。ブログタイトルに困ったので乃木坂ちゃんからもらいました。

前回の記事はこちらです。ここでの考察のベースになっているので、先に(まとめの項目だけでも)軽く目を通していただけると分かりやすいと思います。

yua-622.hatenablog.jp

今回の記事、前回を超える膨大な文章量(約2万5千字)です。目次から「おわりに」→「まとめ」に飛んでいただければ全て読まなくてもだいたい分かるようにしてあるのでご活用ください。ただ「注意点」の項目は先に読んでいただくようお願いします。また、本論も項目ごとに読んでも理解できるようになっています(その際は「集計手順・データの見方」を事前にお読みください)。軽い気持ちですべてを一度に読もうとすると半分あたりで頭痛くなる程度には長いですマジで。それでも読んでくださる方へ。たぶんパソコンの方が読みやすいです。注文が多くてすみません。

目次

はじめに

集計について

集計対象の動画

Your Song [Official Music Video]

youtu.be

Puppet [Official Music Video]

youtu.be

I am [Official Music Video]

youtu.be

Muah Muah [Official Music Video]

youtu.be

Last Mermaid... [Official Music Video]

youtu.be

Fab-ism [Official Music Video]

youtu.be

狼青年 Dance Practice Video

youtu.be

ナイモノネダリ～Acoustic Version～[Official Music Video]

youtu.be

投稿日時

Your Song：11月1日 21時

Puppet, I am, Muah Muah, Last Mermaid...：11月11日 7時(アルバム発売情報解禁と同時)

Fab-ism：11月24日 19時頃(確か18時57分とかでした。Jストさん時間指定の予約投稿とかしてないんだろうか)

狼青年 Dance Practice：11月25日 21時頃(ベストアーティスト2020での狼青年の歌唱の終わるタイミングに合わせたと思われます)

ナイモノネダリ Acoustic Version：12月16日 8時頃(アルバム発売日当日)

定期集計時刻

12時：Your Song, Fab-ism, 狼青年 Dance Practice

22時：Puppet, I am, Muah Muah, Last Mermaid...,ナイモノネダリ Acoustic Version

初回集計時点で動画の公開後経過時間(およそ)は

ナイモノネダリ Acoustic Version：14時間

Your Song, Puppet, I am, Muah Muah, Last Mermaid..., 狼青年 Dance Practice：15時間

Fab-ism：17時間

です。これらの動画は投稿時間がバラバラだったため、なるべく条件を近づけるために集計時刻が2パターンという形をとっています。また、12時集計の動画については毎日0時のデータも集計していました。この記事でもたびたび登場します。

 集計手順・データの見方

1. 定期集計時刻にYouTubeで該当の動画を再生する
2. その時点の再生回数をスクリーンショットで保存する
3. 再生回数を1万で割り小数第3位を四捨五入した数値を暗算で求め、Excelで該当する日付・動画の欄に計算後の数値を入力する(例：778,352回→77.84と記入)
4. Excelの自動計算機能を使用し、3の数値の前日からの増加数を引き算で算出する*1

前回取り上げた3動画と違い、今回の動画はいきなり四捨五入後の数値を入力しています。しかも暗算だし計算前の数字の記録はありません。つまり記入ミス、計算ミスの可能性は上がっています。エクセルシートがごちゃごちゃしすぎるからこうなったんですけど完全にやらかしてますね。。とにかく、1から4の手順によって下のような表ができます。

【表1】データ入力後

………？？？

この表が私のエクセルシートを備考欄だけ切ってそのまま貼り付けたものなのですが、果てしなく見づらいですね。さすがに見づらすぎるので、Your SongとPuppetのデータのみを表にしてみます。

【表2】再生回数入力後(Your Song, Puppet)

多少見やすくなりました。この表を使ってデータの読み方を説明していきます。

今回扱っている動画はそれぞれ公開日が異なるため、動画投稿からの日数を揃える形で表にしています。つまり、動画によって同じ行のデータでも日付がばらばら*2ですが、一番左にある「アップロード」「2日目」…というのはだいたい共通していることになります。左から2列目より右側はそれぞれ動画ごとに色分けがされていますね。同じ色の各3列のうち、1番左には日付が並んでいます。「アップロード」の行にある各日付は文字通りその動画が公開された日、「2日目」の行にある日付は最初の定期集計のあった日です。Puppetで11月11日が連続していることに疑問を持った人がいると思いますが、これはPuppetの動画公開後最初の集計が公開日当日の22時だったことによります。この曲のMVに加え、Puppetと同じく午前中に公開されたI am, Muah Muah, Last Mermaid...(以下、「4曲」という場合は同時に公開されたこの4曲を指します), ナイモノネダリAcoustic Versionの5つは最初の集計が動画公開当日のため、「2日目」の行にあるデータは正確には1日目のものです。とてつもなく分かりづらいですが、どちらにしても各集計の公開後の経過時間は完璧に揃っているわけではない*3ので、〇日目はだいたいの感覚をつかむ意味で見てもらえればと思います。

同じ色にグルーピングされた3列のうちの真ん中の列には、集計時点の(累計)再生回数が上の手順3(再生回数を1万で割り小数第3位を四捨五入した数値を暗算で求め、Excelで該当する日付・動画の欄に入力する)を踏んだ上で記入されています。例えば、黄緑に色分けされたYour Songの真ん中の列、11月2日の行には16.61と書いてありますが、ここから「11月2日12時*4時点のYour Songの再生回数は約16.61万回」だということが分かります。同じように、黄色く色分けされたPuppetの3列のうちの真ん中の列、11月12日の行にある数字23.76は「11月12日22時時点のPuppetの(累計)再生回数が23.76万回である」ことを示しています。

4(Excelの自動計算機能を使用し、3の数値の前日からの増加数を引き算で算出する)の計算後の数値はその右、増加数の列で表示されています。Your Songの11月3日の行にある9.24(万)はこの時点(11月3日12時)での再生回数25.85(万)から前日同時刻の再生回数16.61(万)を引いたもので、11月2日12時から11月3日12時までにYour SongのMVが再生された回数を表しています。同様にPuppetの11月12日の行、増加数の列にある10.05(万)は隣にある23.76(万)からその上の13.71(万)を引いたもの、つまり11月11日22時(Puppetの定期集計時刻)から翌日の12日22時までの再生回数です。すなわち、各動画の増加数の列にある数字は「その日付の0時から24時までの再生回数」ではなく「その日付の前日の集計から当日の集計までの再生回数」だということになります。 これマジで大事なとこなのでここだけでも念頭に置いて頂ければ。。

ただ、上のような手順で表を作成した場合、0時集計のデータの表を読む際に重要な注意点が生じます。後ほど本編で実際に登場する表を用いて説明します。

【表3】第1ポイント周辺(Your Song 0時)

上のように0時集計のデータを入力した表では、日付はその日の0時時点の(累計)再生回数を表しており、増加数とは対応していません。11月6日の行にある増加数5.01(万)は、11月6日0時時点の再生回数から前日5日0時時点の再生回数を引いたもの＝11月5日の24時間での再生回数を表しています。同じように、ここで11月8日の行にある増加数5.45は8日0時時点の(累計)再生回数から7日0時点のそれを引いたもの＝11月7日の24時間での再生回数です。すなわち、0時集計データの表では1日の再生回数(増加数)は該当の日付の1行下にあるということになります。伝われ。。。。。

これの意味が分からなかった方は、どの表においても「増加数」は「その日付の前日の集計から当日の集計までの再生回数」だ、ということだけ覚えておいてください！！

注意点

• YouTube動画は運営による再生回数調整があるため、(見かけ上の)再生回数が多い＝実際にその動画を見た(のべ)人数が多いということに必ずしもならないこともありますが、ここではそれを大前提として考えます。
• ここまでの文章・表でなんとなく察していただけたと思いますが、ド文系なだけでなくExcelもド素人です。登場する資料はすべて果てしなく見にくいものになっています。いろいろとお許しください。
• 狼青年・千夜一夜・ナイモノネダリPV編の時と違い、Excel入力の時点ですでに元の正確な再生回数の記録をしていません。しかも暗算です(いやほんとになぜ……)。記録ミス・計算ミスの可能性が大いにあります。ご了承ください。
• データ取得が定期集計時刻から遅刻している日(激多)や記録漏れの日があります。また、約10分以上の遅刻は個別の項目にすべて記載していますが、3分程度のものは誤差の範囲内として注釈等なしでそのまま使用しています。狼青年等のPV編に比べてもさらにデータとしての正確性は低いです。ないよりはマシくらいの気持ちで参考にしていただけると助かります…ほんとすいません…
• このブログで「○○万回」という表記を用いるときはすべて表に万単位で表示されたものをそのまま使用している、つまりすでに四捨五入済みの数ですが、「約」という表現は基本的に省略します。
• 集計手順4の通り、前日からの増加数は「再生回数を万単位での表示にし、その小数第3位で四捨五入を行った数値同士」で計算しています。そのため、元の数で引き算を行ってから四捨五入したものとは異なる可能性があります。(元の数記録すらしてないけど)
• この記事では「再生回数の(増加)ペースが上がる/下がる」「24時間再生回数が減る」というような回りくどい表現がたびたび出てきますが、これは一般に「再生回数」という言葉が「(ある時点での)累計再生回数」という意味で使用されることによります。動画の累計再生回数が減ることは理論上ありえない(現実世界では調整によって減らされることがありますが)ため、この語と区別して正確に表すためにややこしい書き方になっています。「24時間再生回数」「増加数」等は基本的に再生回数の増加ペースを指す言葉として使用されています(ほぼ同じ意味です)。
• このデータの使用に関して、非商用利用であれば自由にしていただいて構いません*5が、このブログのリンクを出典として記載していただくようお願いします。

【本論】再生回数推移

動画によって公開後の経過日数に差があるので、まずは対象の全動画の公開30日までの推移をグラフで見てみましょう。

【図1】全動画公開後30日間

狼青年Dance PracticeとナイモノネダリAcoustic Versionの回数が多すぎてその他が見にくいので、この2つを除いてみます。

【図2】公開後30日間(YS, Puppet, I am, ムアムア,ラスマ, Fi)

え～～なにこにの形！！もうこの時点で楽しいんだけど！！！おらワクワクすっぞ！！

ちなみに、公開日からの日数で揃えず日付を基準にグラフを作成するとこうなります*6。面白いけど情報量が多いな。あとルーピングっていうおもちゃに見える。赤ちゃんが遊ぶやつ。

【図3】11月1日～12月31日(全動画)

ここからは、上のグラフ等を元に「(動画によって度合いの違いはあれど)再生回数の増加ペースは基本的に緩やかに落ち続け、加速につながる要素があった後は増加後のペースから再び緩やかに落ちていく」ということを大前提として、個別の動画についても考察を行っていきます。

Your Song, Fab-ism

まず、Your SongとFab-ismのMVについて考察していきます。以下のグラフは、動画公開後の経過日数を揃え、Your Songの11月1日から12月31日(61日間)、Fab-ismの11月24日から2021年1月22日(60日間)の再生回数推移をグラフにしたものです。

【図4】公開後60日間(Your Song, Fab-ism 12時)

ポイントとなりそうな箇所に印をつけてみました。再生回数は基本的に、何も起こらなければ伸びが少なくなり続けるものです。前回の狼青年PVほど顕著ではなく少しわかりにくいかもしれませんが、これらの箇所はいずれも本来(何もなければ)小さくなり続けるはずのグラフの傾きが回復している、つまり再生回数の増加ペースが回復する何かがあったと考えられるポイントです。

第1ポイント：Your SongによるFab-ism逆転

上のグラフで最も分かりやすく「何かあったのかな？」と思うポイントはここではないでしょうか。動画公開以降同じ経過時間で比べると常にYour Songよりも再生回数の多かったFab-ismを、Your Songがサクッと抜かしてそのまま差を広げています。実はこの箇所、本論に入ってすぐの図2でこの2つの線の交差する周辺を見ると分かりやすいですが、Fab-ismの推移は至って普通です。Your Songの再生回数が増加したことによって「逆転」が起きています。下の表はこの周辺のYour Songの再生回数推移(0時集計)です。

【表3】第1ポイント周辺(Your Song, 0時集計)

はじめに述べましたが、0時のデータを入力した表において、1日の再生回数(増加数)は該当の日付の1行下にあります。11月6日の行にある増加数5.01(万)は11月6日0時時点の(累計)再生回数から前日5日0時時点の再生回数を引いたもの、つまり11月5日の24時間での再生回数です。したがって、この表の中で再生回数が前日より増加に転じているのは11月7日(土)の5.45万回、8日(日)の6.41万回、11日(水)の5.68万回です。勘のいい方はもうお気づきでしょうか。11月7・8日はYour Song動画公開後最初の週末、そして11月11日はアルバム発売の情報解禁があった日です。また、公開後の日数を基準としてFab-ismの再生回数を抜いたのは、公開8日目の集計(Your Songでいうと11月8日)の少し前です*7。つまり、Your Songは主に週末による再生回数増加の効果でFab-ismを抜いたといえると思います。

では、公開後最初の週末にFab-ismの再生回数は増加しなかったのでしょうか。同じように0時集計のデータを用いて確認してみましょう。

【表4】公開直後(Fab-ism,0時)

上の表より、Fab-ismの11月28(土)の24時間再生回数は4.43万回、29日(日)は3.41万回です。これはいずれも27日(金)5.28万回よりも少なく、Fab-ismは公開後最初の週末に再生回数の増加はなかったことが分かります。この後は3週連続で週末に前日の金曜日よりも再生回数が増加している*8ことを考えると、Fab-ismの動画公開初週にこの効果が表れなかった原因としては「週末による効果＜公開後日数が経過したことによる再生回数ペース悪化」だったことが考えられないでしょうか。これらの効果の力関係が動画によって異なることにより動画公開後最初の週末に再生回数増加ペースがそれまでよりも上がる動画とそうでない動画があり、Your Songは前者、Fab-ismは後者に当てはまったと考えられます。ここで、「これらの効果の力関係が動画によって異なる」とするならそれはなぜなのか、2つの仮説を立てて考えていきます。※長くなります。興味のない方は「第2ポイント」の項目まで飛ばしてください。

一つ目に考えられるのは「週の初めに公開された動画の方が週末の効果が見えやすい」ということです。個別の動画について考える前に本論冒頭でも述べたように、*9MV等の動画は後から急上昇にランクインした場合等を除き基本的に公開された直後にもっとも再生回数増加ペースが速く、公開から日が経てば経つほど再生回数の増加も緩やかになります(同じ時間あたりの再生回数が減ります)。そして、「再生回数の増加が緩やかになる度合い(同じ時間当たりの再生回数が減る度合い)」も一定ではなく、公開から時間が経てば経つほど落ちていきます(日本語力の限界)。例えば、Your SongのMVが再生された回数は公開翌日である11月2日に18.05万回、そのさらに翌日11月3日には7.88万回で、24時間での再生回数は1日で約0.437倍に減少しています。一方その1ヶ月後、12月2日の再生回数が1.77万回であるのに対し、3日は1.75万回と前日の約0.989倍です。これは少し極端な例ですが、この規則に従って考えれば、動画公開から最初の週末が近ければ近いほど「週末による再生回数増加効果」は見えにくくなるはずです*10。…言ってる意味わかる？私はわからん。というわけで今の仮説を図にしてみました。もしかしたら文章だけより多少マシかもしれない。。なんかスキャナー使えなかったので手撮りですすいません。スキャナーもろくに使えないやつがこんなブログ書くのマジで間違ってる。っていうか手書きの時点でもう間違ってる。中学生か。

仮説1-1

仮説1-2

Your Songの公開は日曜日、Fab-ismの公開は火曜日と、Fab-ismの方が動画公開から最初の週末までの日数が少ないため、この仮説と状況が(とりあえず)一致しているといえます。

もう一つ考えうる仮説としては「伸びる動画の方が週末の増加効果が大きい」ということが挙げられます。*11

再生回数の増加する週末、しない週末の違いに関しては(今度こそ真面目に分析しないので完全に体感ですが)、これまでに挙げてきた他の要素による再生回数増加の直後もしくは投稿直後、そして再生回数の伸びの良い動画であればあるほど効果があった

【2020年】Hey! Say! JUMPのYouTube再生回数記録と分析/狼青年・千夜一夜・ナイモノネダリPV編 - You are my light

狼青年、千夜一夜、ナイモノネダリのPVの3つの動画の中では週末に最も効果が表れたのは頻度、効果の大きさ共に狼青年でした(体感ですが）。これは、伸びやすい動画はグループの固定ファンでない人による再生が多く、その層による再生は特に週末に多いからではないかと考えています。実際に公開後最初の週末に効果が見られたYour Songの方が効果のなかった(増加という形では現れなかった)Fab-ismよりも長期的に見て再生回数が多く、この仮説を支持していると言うことができるのではないでしょうか*12。

次に、上の2つの仮説を踏まえてYour Song、Fab-ism以外の動画についても検証していきます。以下の表はこれまでYouTubeにあがっている全てのHey! Say! JUMPの公式音楽コンテンツについて公開された曜日と初週の週末効果の有無や程度についてまとめたもの、図5は同じくこれらの動画の公開後約1ヶ月間の再生回数の推移をグラフにしたものです*13。

	公開曜日	初週末増加	土曜日の前日比
狼青年PV	月	〇	1.304
千夜一夜	月	〇	1.314
ナイモノネダリPV	月	〇	1.267
Your Song	日	〇	1.195
Puppet	水	×	0.763
I am	水	×	0.779
Muah Muah	水	×	0.716
Last Mermaid…	水	×	0.800
Fab-ism	火	×	0.839
狼青年DP	水	×	0.776
ナイモノネダリAcoustic	水	〇	1.188

【図5】全動画比較 初週週末効果の有無

まず表を確認してみます。すると、次の週末までそれぞれ6日、5日ある日曜日、月曜日に公開された動画では全て公開後最初の週末に24時間再生回数の増加があり、火曜日以降に公開された動画ではナイモノネダリのAcoustic Versionを除いてそれがないことが分かります。また図5からは、例外はあるもののやはり再生回数の多い動画の方が週末効果が表れやすいという一般的な傾向があることが読み取れます。再生回数の変化にはここで仮説として挙げたことの他にも様々な要素が影響しているはずで、むしろこれらが主な要素であるとすら言いきれません(実際にそれぞれ全て予想通りではない)。また2つめの仮説ではどのくらいの期間を基準に再生回数を比べるのかも明確ではなく、とても十分な考察ができたとは言えませんが、週末に再生回数の増加ペースが上がるかどうかにはここで仮説として挙げた2つの要素がある程度の影響を与えているのではないかと推測できます。

第2ポイント：Your Song, Fab-ismペース上昇

【図4再掲】公開後60日間(Your Song, Fab-ism 12時)

第2ポイントである動画公開後25日ごろは、Your Song, Fab-ismの両方に再生回数増加ペースの上昇が見られます。この周辺の再生回数の推移を詳しく見てみましょう。

【表5】第2ポイント周辺(Your Song, Fab-ism 12時)

【表6】第2ポイント周辺(Your Song, Fab-ism 0時)

※Your Songのみ11月22日0時集計分1時間24分遅れ(表6)、11月22日12時集計文49分遅れ(表5)

まず、表の左側Your Songから見ていきます。12時集計のデータを使用した表6では、11月20日、22日、24日、27日で再生増加数が前日よりも増加しています。これは12時を基準にした24時間再生回数であるため、それぞれ前日の12時から該当の日付の12時までの再生回数が前日よりも増えているということになります*14。一方0時集計の表6を見ると、24時間再生回数が前日よりも増加しているのは11月21日、23日、25日です*15。それぞれの曜日を確認してみると、21日が土曜日、23日は月曜日祝日、25日は水曜日です。

21日の増加数が特に多いのはこの日が土曜日であることに加え、集計の遅れによって他の日よりも集計期間が多少長いことが影響していると考えられます(反対に22日の再生回数が多少少なく見えるのもこの影響で集計期間が少し短いことが関係していると思われます)。12時集計の22日、24日の増加についても同じように説明できます(22日12時の分の集計遅れにより22日12時までの24時間再生回数であるはずの数字の集計期間が多少延び、逆に23日のものは多少期間が短くなっています。また、24日(火)12時までの24時間には祝日である前日23日の午後が含まれるため、再生回数の増加は不自然ではありません)。

では、水曜日である11月25日になぜ再生ペースの上昇が見られるのでしょうか。これには狼青年の初パフォーマンスがあった「ベストアーティスト2020」の放送が影響しているのではないかと考えられます。前回の記事で分析しましたが、この番組の影響にはすさまじいものがあり、狼青年のPVの24時間再生回数に至っては前週の週末から放送当日まで増加し続けました。Your Songの12時集計データ(表5)では25日でなくその前日の24日に増加が表れていますが、いずれもこの番組による影響だと思われます。なんとこの11月25日は全ての動画で前日よりも24時間再生回数の増加が見られました*16。ベスア恐るべし。

そして、12時集計データでは11月27日の24時間再生回数も前日から増加しています(表5)。これに関しては明確な原因が分かりませんが、この日はミュージックステーションで狼青年を披露しています。増加が見られたのはこの日12時までの24時間再生回数で放送よりも前ということになりますが、この番組が何らかの影響を及ぼした可能性があります。

次に、Fab-ismについても観察してみましょう。表6を見ると、前日よりも24時間再生回数が増加しているのは12月12日、13日、15日、16日、19日で、このうち最も前日からの増加幅が大きく再生回数自体も多いのが16日です*17。もうお分かりでしょうか。この日はアルバム発売日、そして12月14日から20日は発売週です。24時間再生回数はこの周辺ではまず発売週直前の土曜日である12日に増加、そして翌日曜日(13日)にもさらに増加しています。発売週初日である14日月曜日には若干の減少がありますが(とはいえ土曜日の12日よりも再生回数は多い)、翌日以降フラゲ日、発売日と大きく増加しています。その後多少落ち着き、発売週の土曜日(19日)で再び大きく盛り返す、という流れになっています。

19日の増加には週末による効果だけでなく、この曲の作曲に携わった辻村有記さんがゲスト出演した「JUMP da ベイベー！」(12月18日24時30分～25時放送)による効果もあると考えられます。ちなみに12月20日は「Fab! -Music speaks.- Online」の配信、「Hey! Say! JUMPのオールナイトニッポンPremium」の放送があった日です。再生回数にプラスの効果があったのか、逆にオタクが忙しすぎて(再生回数に限って考えれば)マイナスにつながったのかはいまいち分かりません。個人的には多少効果があったんじゃないかなと思っています。

第3ポイント：Your Songペース上昇

このポイントではYour Songのみにペースの上昇が見られます。他のポイントと同じように再生回数の推移を確認してみましょう。ペースが少し落ち着いたと思ったらまた上がるを繰り返すので表がとても長くなってしまいましたが、第3ポイントとしてグラフ(図4)に印をつけたのはこの表7のうちだいたい12月6日ごろです。繰り返しの注意になりますが、この表は0時集計データのため再生回数増加数(一番右の列の数字)と日付は1行ズレがあります。

【表7】第3ポイント周辺(Your Song 0時)

まず24時間再生回数(再生回数増加数)の増加が確認できるのは12月5日と6日。これは土曜日と日曜日です。その後8日に再び増加し、9日もほぼ同じ再生回数です。これについてはそれぞれ前日深夜に放送された二つのラジオ番組、「YOKOHAMA RADIO APARTMENT『ドア開けてます！』」(ワチドア)の薮くんゲスト回と、光くん、アヴちゃんさん、東京ゲゲゲイMARIEさん出演「TOKYO SPEKEASY」が影響しているのではないかと思います*18。

24時間再生回数は週末に再び増加し、そのままアルバム発売週に突入します。第2ポイントで取り上げたFab-ismと同じように発売週初日の月曜日(14日)には若干の減少が見られますが、フラゲ日でもある翌日火曜日(15日)、発売日当日の水曜日(16日)には増加しています。その後はFab-ismや他の動画と基本的には同じように推移し*19、翌週月曜日(21日)には再生回数はかなり落ち着いています。ただ19日の再生回数に関して、辻村さんがゲスト出演したベイジャン(12月18日24時30分～25時放送)による効果がFab-ismと比べてもかなり薄いように感じられます*20。ワチドアやSPEAKEASYによる(と思われる)効果がYour Songに出ていることと矛盾しているようにも思えますが、このベイジャンの放送でYour Songへの言及が一切なかったためではないでしょうか。この辺りはもう少し丁寧な考察が必要ですね。どなたかよろしくお願いします！！( )

第4ポイント：Fab-ismペース上昇

ここではこれまでと異なり、Fab-ismのみに再生回数増加ペースの上昇が確認できます。再生回数を詳しく確認してみましょう。 

【表8】第4ポイント周辺(Fab-ism 0時)

2021年1月1日(元日)に24時間再生回数の著しい減少が確認できます*21。また、その後1週間程度は時間が経てば経つほど再生回数が回復するという基本的な傾向があることがうかがえます*22。この傾向は全ての動画で確認できました。つまり、紅白歌合戦による(少なくともすぐに表れるような類の)再生回数への効果はなかったことになります*23。本気で伸ばしたい動画は年末年始には公開しない方がいいということも分かりますね。笑

あまりにも分かりやすく減っていて面白いので他の動画についても正月周辺の再生回数の表、グラフを貼っておきます。表9は左から順に狼青年PV, 千夜一夜, ナイモノネダリPV, Your Song, Fab-ism, 狼青年Dance Practiceの0時集計データ、表10は左から順にPuppet, I am, Muah Muahの22時集計データです*24。Last Mermaid...のみ12月31日に集計漏れという大失態を犯したため、ナイモノネダリAcoustic Versionは後ほど言及するためそれぞれ表からのぞいています。また図6のグラフは0時集計の表をの日付と増加数を元に作成しているためここでも日付がズレています。明らかに回数の少ないのが元日です。

【表9】正月周辺 (狼青年,千夜一夜,ナイモノネダリ,YS, Fi, 狼青年DP 0時)

【表10】正月周辺 (Puppet, I am, Muah Muah 22時)

【図6】正月周辺(狼青年PV, 千夜一夜, ナイモノネダリPV, Your Song, Fab-ism 0時)

Puppet, I am, Muah Muah, Last Mermaid...

次に、アルバム「Fab! -Music speaks.-」発売の情報解禁とほぼ同時に一斉に公開された4曲について考えていきます。ちなみに謎のめざましのフライングにより「ほぼ同時」表記となっております。あんなにカウントダウンした挙句にフライングしたのなんだったんでしょうか。いやエンタメコーナーとの時間の兼ね合いがあるのはわかるけど。あの日6時55分に起きてTwitter開いたらまだ時間じゃないのに情報の波に襲われて？？？？状態でした。…黙ります。

【図7】11月11日～12月31日(4曲 22時)

この4曲のMVは同時に公開されているため、11月11日から12月31日までの約50日間の定期集計時刻の再生回数をグラフにするとこうなります*25。他の動画と同じようにポイントとなりそうなところに黄色の点線で印をつけたので、そこに焦点を当てて考えていこうと思います。数字のついていないものが一つありますがそれを第1ポイントとします。エクセル上ではちゃんと1ってついてるのにここに貼り付けたら反映されなくて30分くらい格闘したんですけど諦めました。なんでなん。やっぱり私に機械は無理……はあ………。

第1ポイント：I amによるLast Mermaid...逆転

【図8】公開～12/2 (I am, Last Mermaid... 22時)

第1ポイント周辺ではI amの再生回数増加ペースが急上昇し、それまでほぼ同じ再生回数で推移し続けていたLast Mermaid...を一瞬で抜き去っています。再生回数の推移を詳しく見てみましょう。左側の水色2列はI amの(累計)再生回数と前日同時点からの増加数、その右2列はLast Mermaid...のそれを表しています。一番右の数字はその時点でのI amの再生回数からLast Mermaid...の再生回数を引いた差です。ちなみにこれら2曲の定期集計時刻は毎日22時のため、例えば11月18日の行にある増加数は11月17日22時から11月18日22時までの再生回数を指しています。

【表11】第1ポイント周辺(I am, Last Mermaid... 22時)

※2曲ともに11月27日集計30分遅れ

図8などからも分かるように、この2曲は動画公開以降第1ポイント周辺までほぼ同じ再生回数で推移していました。表にはありませんが、24時間再生回数はわずかにLast Mermaid...がI amを上回るという日が多かったものの、11月15日にはI amの方が多かったほか16日にはほぼ同じ増加数です*26。こういったことからもこの2曲の再生回数がいかに僅差だったかがうかがえると思います。そのような中、11月17日から3日連続でLast Mermaid...の24時間再生回数がI amを上回り、じわじわと差を広げています(表11)。この2曲の勝負(？)の行方をリアルタイムで見守っていた私は正直このあたりでLast Mermaid...の勝ち(？)を確信しました。ところが11月20日以降I amの増加数がLast Mermaid...を(それまでの僅差ぶりを考えると)大きく上回り、わずか2日後の22日には累計再生回数で逆転しています。その後も24時間再生回数はI amがLast Mermaid...を上回り続け、それまでの僅差の推移は何だったのかと思うくらい急速に差を広げています*27。正直この原因の分析は私には手に負えませんが、とりあえず考えてみます。

Your Song、Fab-ismの第1ポイントに関連した考察の中に、「伸びる動画の方が週末の増加効果が大きい」というのがありました(参照:二つ目の仮説*28 )。表11をよく見ると、24時間再生回数でI amがLast Mermaid...を上回るようになった11月20日は土曜日です。この日I amは前日から再生回数のペースが上昇し、日曜日の21日にもさらなる増加が見られます。一方Last Mermaid...はこの週末に24時間再生回数の増加がありません。もしかしたらここに「I amの方がLast Mermaid...よりも長期的に見て伸びる動画である」ことの片鱗が表れているのかもしれません。…と言いつつ、翌週の土日はLast Mermaid...のみに増加が見られ、I amの24時間再生回数は前日26日から(この日に急増していることもあり)減少しています。この26日の増加も気になるポイントですが、原因は思い当たりませんでした。つまり、このI amが突然Last Mermaid...を抜かした減少について詳しいことは分かりません。こんなひどい考察あります？？？ 

第2ポイント：Muah MuahによるPuppet 逆転

第2ポイントでは、Muah MuahとPuppetで逆転が起こっています。ここでも再生回数の推移を詳しく見ていきましょう。それぞれ左側の黄色2列はPuppetの、右側のピンク色2列はMuah Muahの再生回数と前日同時点からの増加数を表しています。一番右の数字はその時点でのMuah Muahの再生回数からPuppetの再生回数を引いた差です。第1ポイントで扱ったI amやLast Mermaid...と同じくこれら2曲の定期集計時刻も22時のため、「増加数」はその日22時までの24時間再生回数を指しています。

【表12】第2ポイント周辺(Puppet, Muah Muah 12時) 　

※2曲ともに12月5日集計34分遅れ

第1ポイントと異なるのは、この2曲の逆転は急激に起こったものではないということです。第1ポイントでの逆転においてLast Mermaid...がI amに再生回数で最も大きな差をつけたのは11月19日ですが、20日以降24時間再生回数でI amがLast Mermaid...を上回ることによってその差が縮まり、累計再生回数でも逆転が起こるまで2日しかかかりませんでした。一方こちらでは逆転前にPuppetとMuah Muahの再生回数の差が最も大きかったのはこの表の範囲よりだいぶ前の…今確認したらなんと11月19日でした。「奇しくも」と書こうかと思いましたが、これは偶然ではない可能性がありますね。とにかく、24時間再生回数での逆転から累計再生回数の逆転(12月6日)までにかなり日数がかかっているのが分かると思います。ただ、これら2つの事例では逆転前の再生回数の差の大きさが異なるため*29単純に比較はできません。逆転後でも比較してみましょう。I amは累計再生回数でLast Mermaid...を上回った4日後の11月26日には3.1万回もの差をつけています(表11)。一方、Muah MuahがPuppetを累計再生回数で初めて上回った4日後の12月10日、この2曲の累計再生回数の差は0.89万回です。ここからもやはりMuah MuahによるPuppetの逆転は緩やかであるということができます。

この原因として、第1ポイント周辺では主に「I amの再生回数が増加して」逆転が起きたのに対し、第2ポイント(現在の議題！！)周辺ではMuah Muahの大規模な再生回数増加は起きていないということが挙げられます*30。つまり、Muah MuahによるPuppetへの逆転はある特定の時点の出来事によるものではなく、再生回数の増加ペースが日々減少していく度合いが小さいというMuah MuahのMVの一般的な傾向によるものだと考えることができます。この傾向は以下のグラフ(図9)からも読み取れます。ただ、この曲が24時間再生回数でPuppetを上回り始めたのが第1ポイントの逆転と同じ11月20日であるというのが気になりますね。この週末(11月20日、21日)にPuppetでは増加がないというのも第1ポイントでのLast Mermaid...と共通しています。やはり長期的に見て伸びやすい動画の方が週末等による増加効果が出やすいということはいえそうです。PuppetのMVがYouTubeで初公開でなければもう少し公開直後の伸びが悪く、初めからMuah Muahの方が再生回数で先行していたかもしれません。

【図9】公開～第2ポイント周辺(Puppet, Muah Muah 22時)

第3ポイント：4曲とも増加

【図7再掲】11月11日～12月31日(4曲 22時)

第3ポイントである12月15日周辺では4曲ともグラフの傾きが大きくなっている、つまり24時間再生回数が増加しています。また、特にMuah Muahの増加が顕著に見られます。この増加は明らかにアルバム発売日、発売週によるものだといえます。これまでと同じように詳しく再生回数を確認してみましょう。左から2列ごとにPuppet、I am、Muah Muah、Last Mermaid...です。

【表13】第3ポイント周辺(4曲 22時)

※4曲ともに12月19日集計19分遅れ

アルバム発売週初日は14日です。この時点で前日(日曜日)より1日の再生回数が多いMVはまだありませんが、PuppetとMuah Muahでは前週金曜日である11日より多い回数になっています。フラゲ日である15日には、Last Mermaid...以外の3曲で前日から増加が見られます。というか、この日に24時間再生回数で前日からの増加がなかったのはLast Mermaid...だけでした*31。なんてこった。早く100万回再生達成しないかな～と思っているのですがこの調子だともう少しかかりそうです。…今の再生回数が気になったあなたへ。動画リンク貼っておきますね！！！…はい。話を戻します。12月16日はこれまでどの動画でもかなり効果が出ている発売日当日です。この日は4曲すべてで前日よりも24時間再生回数が多くなっています。

この4曲は他の動画よりもアルバム発売の効果が発売日当日に限定されず、翌日にも現れるという傾向が見られました。I amとLast Mermaid...では24時間再生回数が17日にも増加しており、Puppet とMuah Muahでも減少の幅がかなり小さいです。ただ、これは曲やMVの特徴というよりも私の集計時刻に起因するものだと考えています。他の動画は全て0時集計データを使用(ナイモノネダリAcoustic Versionのみ22時集計)しましたがこの4曲は22時の集計データしかなく、その結果「発売日当日」の22時から24時までの再生がその翌日22時までの再生分として分類されてしまっています。この時間帯は1日の中でも再生が多いため、 発売日当日の夜の再生回数が(一見)翌日のものとして分類される集計方法には問題がありました。反省。

4曲すべてで、18日に減少した24時間再生回数が土曜日である19日に再び増加に転じ、20日には落ち着いています。週末の中でも土曜日と日曜日のどちらに効果がより現れるかは週や動画によって変化しますが、この週は(この4曲に限らず)土曜日により大きな効果が出ているようです。前日からの増加はこの4曲のうち特にPuppetで大きく、Muah Muah、Last Mermaid...、I amと続いています*32。この原因としては、辻村有記さんがゲスト出演した「JUMP da ベイベー！」(12月18日24時30分～25時放送)による影響が考えられます。辻村さんはこの4曲のうちPuppetとMuah Muah、その他動画が上がっている曲ではFab-ism、Your Songの作曲に携わっています。ラジオ内ではこの4曲(Puppet、Muah Muah、Fab-ism、Your Song)のうちYour Songに関する話がなく、それに伴ってYour Songの19日の再生回数増加幅は比較的小さく、その他3曲の増加幅は比較的大きくなっていました。また、ベイジャンにはこの次の週(12月25日24時30分～25時放送)にも辻村さんがゲスト出演していましたが、Fab!の楽曲に関連した話題がなかったからか、いずれも目立った効果はみられませんでした。そして、20日の集計では金曜日の18日と比べてもPuppet以外の3曲で24時間再生回数が少なくなっています。Fab-ismの考察の際にも少し触れましたが、「Fab! -Music speaks.- Online」や「Hey! Say! JUMPのオールナイトニッポンPremium」(いずれも12月20日)による再生回数への影響があったのかもしれません。

図7を見るとこの周辺でMuah Muahが圧倒的に再生回数を伸ばした印象を持ちましたが、表13からはそのような印象は抱きません。この周辺で他の3曲と急激に差を広げているのも第2ポイントと同じように「再生回数増加ペースの日々減少していく度合いが小さい」というMuah Muahの傾向によるものだと思われます*33。

 狼青年Dance Practice, ナイモノネダリAcoustic Ver.

最後に、今回扱っている中でも特に再生回数の伸びが良い2つの動画、狼青年Dance Practice(以下一部でDPと呼びます)とナイモノネダリAcoustic Version(以下一部でAcoと呼びます)について取り上げます。以下は各動画アップロード当日を1日目とし、30日目までの再生回数の推移をグラフにしたものです。…といいたいところなのですがナイモノネダリAcoustic Versionの30日目が集計漏れのためこちらのみ29日目までになっています。対象期間は狼青年Dance Practiceが11月25日から12月24日、ナイモノネダリAcoustic Versionが12月16日から2021年1月12日です*34。

【図10】公開後30日間(狼青年DP 12時, ナイモノネダリaco 22時)

何か今までのと違うなと気づかれた方へ。私にパソコンを使いこなすなんて100年早かったということです(？)

なんだかあまり特徴のない形になりました。絶対考察すべき！なポイントも正直なさそうなので、さくっといきます。

第1ポイント

【表14】第1ポイント周辺(ナイモノネダリAco 22時)

初週の土曜日。このテンポでいきたい(願望)。

第2ポイント

【表15】第2ポイント周辺(ナイモノネダリAco 22時)

※12月25日集計19分遅れ、26日20分遅れ

二週目の土曜日＋100万回達成直前・直後。

ちょっと待った！！Mステは！？という声が聞こえました(願望破れたり)。12月25日は「MUSIC STATION ウルトラ SUPERLIVE」でのナイモノネダリ地上波初歌唱があった日ですね。この翌日である26日22時までの24時間再生回数は前日比で約1.3倍*35になっています。この前の週の土曜日は1.2倍弱だった*36ことを考えても、この増加幅にはMステスーパーライブによる効果も含まれるのではないかと思う方もいるかもしれません。ただ、Your SongとFab-ismの第1ポイントで初週の週末効果について考えたときに一つ目の仮説の中で触れたように、24時間再生回数は動画公開直後の方が強い勢いで減少していきます*37。その影響で初週よりも週末効果が大きく見えている可能性があります。また、Mステスーパーライブ内での歌唱時刻は19時50分ごろだったため、番組出演による再生回数への効果は22時までに現れると考えた方が自然なのではないかと思います。これらの理由から、26日の増加はMステスーパーライブによるものではなく、週末による効果が大部分を占めているのではないかと個人的には考えています。前回の記事で検証した(参照:本論第2ポイント)ためここで詳しくは書きませんが、ナイモノネダリPVにはこの番組による効果が現れていました。

第3ポイント

このポイントは増加ではなく、グラフの傾きが一時的にかなり落ち着いているように見えます。もう少し詳しく見てみましょう。

【表16】第3ポイント周辺(ナイモノネダリAco 22時)

正月！！！！他の動画と同じように元日直後は日が経過すればするほど24時間再生回数が回復していますね。

第4ポイント

これまでの3か所と異なり、第4ポイントでは狼青年Dance Practiceについて扱います。図10を見ると、この周辺でグラフの傾きが少し大きくなっているのが分かります。

【表17】第4ポイント周辺(狼青年DP 0時)

上の表17はこの周辺の0時集計データを表にしたものです。繰り返しになりますが0時集計データは増加数と日付が一行ズレるため、表で最も上にある4.99(万回)は12月12日ではなく11日の24時間再生回数です。

う～～ん、発売日周辺。(CV.川島如恵留)*38 ただここで注目したいのは、狼青年Dance Practiceでは発売日である16日よりもその前の週末の方が24時間再生回数が多い*39ということです。12日、13日の再生回数が多いのに加えて、16日のアルバム発売日効果もそれほど大きくないように思います。この明確な要因は分かりませんが、上の第2ポイント(ナイモノネダリAco)にもあるように、一曲でPVとそうでないバージョンの2つの動画がある場合PVの方が24時間再生回数の増加につながりやすいのかもしれません。

…考察がてきとーすぎる？私もそう思います。が、もう勘弁してください。ド文系にしては頑張った方です。。。

おわりに

まとめ

前回の記事では、狼青年・千夜一夜・ナイモノネダリのPVについて、動画が突然公開された2020年10月12日から12月31日までの再生回数の推移を観察、考察しました。それに続く今回の記事では、その他すべてのHey! Say! JUMP音楽コンテンツ、具体的にはYour Song、Fab-ism、Puppet、I am、Muah Muah、Last Mermaid...、狼青年Dance Practice、ナイモノネダリAcoustic Versionのそれぞれの再生回数の推移について、一部2021年のデータも用いながら同じように観察してきました。2万字超えという膨大な文章量になってしまったため、これまでの考察によって分かったことをまとめてみようと思います。

まず、再生回数の推移としては「増加ペースは緩やかに落ち続け、加速につながる要素があった後は増加後のペースから再び緩やかに落ちていく」のが基本的な傾向です。

「加速につながる要素」として、今回の記事の考察対象となった動画では

• 週末
• 情報解禁
• アルバム発売週、特に発売日
• ラジオ番組(特に放送内容としてアルバムや楽曲についての話が多い場合)
• ○○万回達成直前・直後
• ベストアーティスト2020

が主に挙げられ、逆に再生回数への効果が見られなかった、小さかった要素としては

• MUSIC STATION ウルトラ SUPERLIVE(Mステスーパーライブ)
• ラジオ番組(アルバムや楽曲への言及が少ない/ない場合)
• 正月(特に元日には著しい減少が見られる)

が挙げられました。個人的に、元日にすべての動画でいっせいに24時間再生回数が急減し、その後数日間は(一般的な傾向に逆らうように)日が経てば経つほど回復していく様子が特に印象的でした。このことからは、紅白歌合戦による(少なくともすぐに数字として表れるほどの)効果はないことも分かります。みなさん伸ばしたい動画を年末に公開するのはやめましょう。(？)

また、一部動画間で再生回数の逆転が起きたことに関して、その主な原因としては

• 長期的に見て伸びる動画の方が同じ増加要因による効果が大きい
• 週の初めに公開された動画の方が初週の週末に効果が出やすい
• 1日の再生回数は基本的に日々減少し続けるが、動画によってはその減少度合いが小さい

があると推測しました。

その他、同じ楽曲でPVがある場合のその他の動画(例:狼青年のDance Practice)は再生回数増加の効果がPVよりも小さくなる可能性も示唆される結果となりました。これに関してはきちんと考察できていないので(これまでに挙げた他の要素についてもそうですが、それ以上に)今後さらに検証される必要があります。また、ここで検証していない他の考察課題もまだ多く残っています。

あとがき

最初からここまで読んでくださった方、いますか？？？？いや絶対いない。(反語)正直私ですらまだちゃんと通して読んでないです。推敲もあんまり真面目にしてないし表記の揺れも放置してる。ひどい。…文字を書くことに疲れてもう何も浮かばないので以上にします。もしここまで全部読まれた方がいたら、本当にお疲れさまでした！！！そして、こんな長くてまどろっこしい文章を読んでいただき、本当にありがとうございました！！！お察しの通り途中からどんどん考察が雑になっているので、もっとちゃんとした他の方の考察も待ってます！！

全データ

前回の記事の考察対象動画を含む全動画比較グラフ

※ナイモノネダリAcoustic Versionのみ29日が集計漏れ

【おまけ】全動画公開後1ヶ月間

【おまけ】全動画公開後1ヶ月間(グラフ上限300万)

 データ一覧

表を見るにあたっては記事冒頭の「集計について」という項目、特に「定期集計時刻」、「集計手順・表の見方」を必ず先に参照していただくようお願いします。また集計が遅れている場合は表の備考欄に記載しているのでそちらも必ず確認してください。データに集計漏れ・遅れがかなり多く、正確性や有用性は低いです。ご了承ください。集計遅れ等以外に関しては再生回数の伸びにつながっていそうな出来事も備考欄に記載していますが完全に筆者のさじ加減です。データが雑すぎる。。

公開後日数基準

【公開後日数】1～30日目

【公開後日数】31～60日目

【公開後日数】61日目～

日付基準

データ自体は上の「公開後日数基準」での表と同じものです。配置だけ変えて日付を揃えています。ただ、グラフ作成上の都合によりPuppet, I am, Muah Muah, Last Mermaid..., ナイモノネダリAcoustic Versionの5曲は公開前日に0と記録されています。が、見なかったことにしていただけると助かります。

【日付基準】11月1日～30日

【日付基準】12月1日～12月31日

【日付基準】2021年1月1日～1月17日

追加:0時集計データ(日付基準/Your Song, Fab-ism, 狼青年Dance Practice)

ところどころ小数第1位までしか表示されていないものがありますがいずれも小数第2位は0です。繰り返しになりますが0時集計データのこの表に関しては本当に「集計手順・表の見方」をご一読お願いします…！！！

【日付基準】11月1日～24日0時 YS

【日付基準】11月25日～12月31日0時 YS, Fi, DP

【日付基準】2021年1月1日～1月31日0時 YS, Fi, DP 

*1:計算式：=〔3の数値を入力したセル〕ー〔同じく前日の数値を入力したセル〕

*2:例:Your Songの16.61とPuppetの13.71は同じ行にあるが同じ日に集計されたものではない

*3:動画によって最初の集計時刻はそれぞれ投稿の14時間、15時間、17時間後で、その後は24時間ごとに集計。詳しくは少し上の「定期集計時刻」の項目を確認してください。

*4:Your Songの定期集計時刻は毎日12時。

*5:どうやって商用利用するか思いつきませんが一応。。笑

*6:公開日と最初の集計が同一日の5つの動画(上を参照)については都合上公開日を実際よりも1日前にしてグラフを作成しています。

*7:公開7日目の集計時点での再生回数はYour Song(11月7日)が47.78万回、Fab-ism(11月30日)は49.64万回。一方その翌日、公開8日目の集計時点での再生回数はYour Song53.51万回、Fab-ism52.45万回で逆転しています。尚ややこしいですがここでは各定期集計時刻である12時集計のデータを使用しています。

*8:詳しくは最後に載せる全データ一覧をご確認ください。

*9:ワープ用。初めてここを読んでいる方はスルーしてください。

*10:動画公開後の経過時間が週末の再生回数増加効果の大きさに与える影響がそこまで大きくない(少なくとも単純に日数が経てば経つほど再生回数が減るという影響よりは小さい)場合。きちんと検証はしていませんが実際にこの場合に当てはまっていると思われます。ていうかこの日本語絶対誰にも伝わってない自信がある。

*11:ワープ用。初めてここを読んでいる方はスルーしてください。

*12:引用の『投稿直後(略)であればあるほど効果があった』が一つ前の仮説の成立条件と矛盾すると思った方へ。この効果の変動幅は単純な日数経過による減少幅よりも小さいんです。たぶん。。

*13:公開後最初の定期集計時刻(狼青年、千夜一夜、ナイモノネダリのPVは毎日12時の値を採用)を「1日」とし、「30日」までの再生回数をグラフにしています。ただし、ナイモノネダリAcoustic Ver.のみ29日が集計漏れです。

*14:11月22日のみ集計遅れのため、当該の「増加数」は21日12時から22日12時49分までの再生回数を表しています。

*15:0時集計データのため日付と増加数が一行ずれています。例:11月24日の行にある増加数2.97(万回)は、同じ行にある24日0時時点の累計再生回数112.57(万回)から前日0時時点の再生回数109.57(万回)を引いたもの＝11月23日のあいだに再生された回数です。また、22日0時の分の集計が遅れているため、21日の24時間再生回数(であったはずの数字)は実際には翌1時24分までの約25時間半での再生回数になっています。

*16:この日の時点で公開されていた狼青年PV,千夜一夜,ナイモノネダリPV,Your Song,Puppet,I am,Muah Muah,Last Mermaid...が対象。4曲は22時集計、その他は0時集計を基準とした場合です。それぞれ11月24日、25日に公開されたFab-ismと狼青年Dance Practiceについては前日の再生回数との比較ができないためここでは考慮していません。

*17:0時集計データです。表の見方に注意してください。

*18:薮くんゲストのワチドアは12月7日22時～23時20分放送。光くん出演のSPEAKEASYは12月8日25時～26時(9日1時～2時)放送

*19:ただしこの動画では発売週後半には土曜日に加えて日曜日ではなく金曜日に増加が見られます(表7)。

*20:Your SongもFab-ism同様作曲に辻村有記さんが携わっています。表7より18日の24時間再生回数は2.05万回、19日は2.11万回。19日が土曜日であることを考えるとベイジャン効果はほぼないと考えられます。

*21:これも0時集計データのため日付と増加数にズレがあります。1月1日の再生回数は1.41万回ではなく0.89万回です。

*22:1月2日の再生回数が1月3日の再生回数よりも約100回多いことを除くと1月7日まで再生回数が前日より増加し続けています(表8)。

*23:Your Songのみ、12月31日の午後に再生回数が増えていることが12時・0時集計データから示唆されています(12月31日12時までの24時間再生回数は前日よりも減少していますが、12月31日の0時から24時までの再生回数は前日よりも増加していました。詳しくは記事最後の全データ一覧をご確認ください。

*24:0時集計データの日付と増加数はズレ…以下略

*25:Last Mermaid...のみ12月31日が集計漏れのため12月30日までのものになっています。

*26:11月15日22時までの24時間再生回数はI amが3.01万回、Last Mermaid...は2.92万回。16日はともに2.44万回。

*27:表11を見ると、11月17日から19日の2日でLast Mermaid...が広げた差は約4200回ですが、24日から26日の2日でI amが広げた差は1万8000回以上です。

*28:ワープ用。注釈一覧から注釈11をクリックすると該当箇所に飛べます。

*29:Last Mermaid...がI amに累計再生回数でつけた差の最大値は0.9万回。PuppetがMuah Muahにつけた差の最大値は4.12万回。

*30:12月5日に前日よりも24時間再生回数が増加していますが、特別なものではなく週末効果だと思われます。表12内でMuah Muahの24時間再生が最も多いのは動画公開後の経過日数が最も少ない12月1日です。一方I amの第1ポイント周辺では比較的大規模な24時間再生回数増加が起きており、表11内で24時間再生回数が最も多い11月26日では表内で最も公開日に近い17日よりも1万回近く多い回数となっています。

*31:この4曲に加えて狼青年PV、千夜一夜、ナイモノネダリPV、Your Song、Fab-ism、狼青年Dance Practiceが対象。4曲は22時集計、その他は0時集計データを使用した場合。

*32:22時までの24時間再生回数の前日比はPuppet約1.38倍、I am約1.09倍、Muah Muah約1.12倍、Last Mermaid...約1.10倍。

*33:ここあんまり真面目に考察してないのでもし大嘘だったら教えてくださいごめんなさい。

*34:記事冒頭「集計手順・データの見方」でも触れましたが、「2日目」は最初の定期集計のあった日を指しています。ナイモノネダリAcoustic Versionは公開後最初の集計が公開日当日の22時であるためこの表現は正確ではありませんが、公開後のだいたいの経過日数を把握するためのものなので許して下さい。

*35:7.07÷5.59=1.2647…

*36:19日22時までの24時間再生回数12.13万は18日の10.21万の約1.188倍。

*37:ワープ用。注釈一覧から注釈9をクリックすると該当箇所に飛べます。

*38:元ネタ:https://youtu.be/EPCSQ4OteUY?t=180 。時間指定済みです。

*39:表17より1日の再生回数は12日(土)5.35万回、13日(日)5.41万回、発売日16日(水)5.12万回。